春を探して その2 戻る
    

エゾエンゴサク
 「なんて素敵な公園なんでしょうか!」是非、行ってみてくだださいよ。
 ニセコ駅を背にして、徒歩200mほど、出光のガソリンスタンド横の階段が入り口です。
 スタンドの裏山、斜面が青く見えます。カタクリ・キクザキイチゲなどの群生が同居している。この時期だけの花の楽園です。
  6月も終わりになってきたら、雑草だらけの、ただの斜面になってしまう、この上にある、桜ヶ丘公園の土手ですが、ゴールデンウイークの時には、春の花を目指してたくさんの人が、訪れる、有名な花スポットになってます。
 エゾノエンゴサク、青や紫の色、個体差はあるが、群生して、林の床が、青くなる。花の、後ろに反り返ったところを距(キョ)とよぶ。ここに、花も蜜がたまり、、吸うと甘い花がある。
 
 キクザキイチゲは、山地の林の中などに生える多年草です。花びらのように見えるのは萼片で,本当の花びらはありません。花の色は薄紫色と白の二種類あるようです。同じようなところにキクザキイチゲとよく似たアズマイチゲ(東一華)が咲いていることがあるでしょうが,キクザキイチゲの葉は細かく裂けているので簡単に区別できるでしょう。
 
 カタクリは、この時期に、一番人気のある野草です。
 まだ森の木々が、葉がなくって、明るい時期に、地面一面に群生します。、
 今年は、カタクリの開花も例年より遅れて、連休明けになりそう、
 まだつぼみが開ききっていないのは、午前中の早い時間だったのか、曇った日だったんでしょうか。夕方に花をつぼみ、朝、陽が差してくると、つぼみを開きます 群生しているカタクリは、日当たりの良いところから徐々に咲いてきます。花の咲いているのは、1週間から10日ほど。
キクザキイゲ(菊咲一華)

  カタクリ(片栗)

 花の後には、緑の実ができます。まるで「ET」の頭みたいな格好です。この中に3粒の種が入っています。
 このころ、森は、新緑の時期を迎えて、地面は、暗くなくなります。、
 ほぼ1ヶ月ほどで葉っぱも枯れてしまいます。花の種は、アリによって運ばれ、離れたところでまた春を迎えます。でも育つのは、3粒のうち1粒だけだそうです
 ニセコでは、牧草地とか林道の片端で、野生するカタクリを自然に見ることができます。何カ所かの群生地は、北向きの斜面で、木立の下にあって薄暗いところ。でも笹はなく、ある程度開けた草地です。
 駅前の桜ヶ丘公園の斜面も、20年ほど前から、笹を刈り込むことで増えてきたようだ。
 まだまだ山菜の1種だということで、刈っていく人もいるが、守っていくところは、指定して保護していきたいところ。
昔のからの花 カタクリ
 万葉集に「堅香子(かたかご)草の花をよじ折る歌一首」の詞書のついた大友家持の歌がある。
 
物部の八十少女らが汲みまがう寺井の上の堅香子の花 (巻十九 四一四三)
 家持が、越中の国司として北陸に赴いた折りに、つくったものとされている。
 この堅香子が、ユリ科のカタクリか、その種類であったという。
 いずれにせよ古くから日本で、身近に可憐な花を咲かせてきた。
    
 

 ニセコ高校、裏にある、コブシの大木
カタクリは、6〜7年で、やっと、花を咲かす。
 

 種が、地面に落ちた、翌年、春に、地下の鱗茎から
、とがった卵形の1枚葉がでてくるが、花は付かず、
栄養葉として地下茎を太らせ、5月には、消えてしまう。
  この状態が何年も続き、だんだん葉は大きく細
長くなっていくが、まだ花は付かない。

 数年後、10センチほどの2枚の葉がでてくると、初
めて15cm 位の花茎がそこからのび、先に4cm程
のとがった薄紫の3枚の花弁と3枚の萼片が後ろの
反り返る。
   花言葉は、初恋、さびしさに耐える。
春の妖精、 スプリング・エフェメラルといわれている。
「北国の春」(千昌夫)の歌詞にでてくる。 昔の人は、この花の開花時期から農作業のタイミングを判断したり、花の向きから豊作になるか否かを占ったりした。
コブシの花は6〜10cmもある大きさで遠くからよく見える。葉に先立って、まず花から咲く。香りがあり華麗な白い花だ。花の下に葉が1枚づつ付くのが特徴。
つぼみが開く直前の形が子供のにぎりこぶしに 似ているところからこの名前になったらしい。
また、辛夷の実はゴツゴツしており、その実の具合から「こぶし」と命名されたのでは、との 説もある。 秋の果実は、ホウの木の果実によく似る。

  
コブシ(辛夷

北海道の桜の名所では、松前のソメイヨシノが有名だ
が、その他の名所はほとんどが、このエゾヤマザクラである。待ちわびた春 淡いピンクの ヤマザクラ 満開 、ソメイヨシノと異なり、エゾヤマザクラは花びらの数少ない気がする

 色は淡いピンク色でひっそりと郷愁を誘うように可憐なつぼみを開く待ち焦がれた思いも空しく、僅か数日で花びらは散ってしまうのです。
 数少ない花びらが、精一杯の化粧を見せて人々に優しさ語りかける。
 北海道では、日本で一番遅い花見ができることから本州からの観光客も多い。
 例年連休前に函館、松前の桜が咲き出し、札幌は、5月10日以降だろう。
今年は、1週間ほど遅れるかも。   ニセコは、5月中旬過ぎ
 
  ひさかたの 光のどけき春の日に  
     静心なく花の散るらむ   紀友則

  〜光がうららかな春の日なのに、どうして落ち着いた心もなく花は散るのだろうか〜
 「古今和歌集」巻二春中の歌。「ひさかたの」は空の事象に対する枕詞です。こんなにのどかないい日なのに、どうして桜は落ち着きもなく散るのだろう。
 風に散る花も豪快でなかなかいいのですが、穏やかな日に桜が際限なく散り続けるのも美しくて哀しくて、しばらく眺め入ってしまいます。

 シラカバの若葉とよく調和するので、街の公園よりは山腹や渓流沿いなどで見たほうがよい。 ニセコのは、尻別川の川沿いから始まる。 この近くには、東啓園という桜の名所と羊蹄山がきれいに見えて、自転車の走行もできる曽我森林公園がある。ゆっくりとくつろいで欲しい
東山スキー場の入り口から道道66号線に300mほどいった右手にある牧草地、道路からも見える。
   ニセコ大橋から、王子アパートを望む
撮影場所:ニセコ大橋の上から下流に向かって。橋のたもとには、駐車公園、曽我森林公園とくつろげる所があり、一服するにはいい場所だ。左にニセコの山を望んで、右に羊蹄山を望んでと、ビューポイント、ニセコの山への入り口ゲート=門のような所だ。
  

此の花の 一枝(ひとよ)のうちに百種の言ぞ隠れる 
     (こもれる)    おぼろかにすな
 
          藤原広嗣
「万葉集」収集歌

〜桜の一枝には、言葉で言い尽くせぬほどの想いがこもっています。どうか、おざなりにしないでください〜
  百種の言というのは、百種類の言葉、ではなくてたくさんの言葉という意味だろう。どんな言葉を以っても言い尽くせない。恋文に、桜の枝を添えて贈ったのだろうか。だとしたら、とてもロマンチックな歌だ。あなたに贈ったこの桜の一枝には、私の言い尽くせぬ想いがこもっています、どうか、私の想いに応えてください

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